いびきとの関連性
いびきには大きく分けて2種類あります。
① 単純性いびき
単純性いびきとは、疲労、飲酒、風邪、鼻づまりなどが原因で起きる一時的ないびきを指します。単純性いびきの場合、原因を改善すれば、いびきは解消します。
② 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があるいびき
単純性いびきのような一過性なものではなく、睡眠中は常に起こり、他人に指摘されるほどの大きないびきの場合は要注意です。睡眠中の無呼吸(呼吸の停止が10秒以上続く状態)が疲労を引き起こし、さらに睡眠時無呼吸状態を助長させてしまいます。
このような状態になると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を考え、医療機関にて早期に受診・治療することをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠に関係する呼吸障害の一つで、SAS(Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれます。
睡眠中の無呼吸が「一晩で30回以上」もしくは「1時間あたり5回以上」ある場合に、睡眠時無呼吸症候群とみなされます。
日本での潜在的な患者数は約200~300万人以上になると推測されていますが、睡眠中に起こる症状のため、発見されにくく、実際に治療している人は、約2割程度と言われております。また、病態が十分認識されておらず、「熟睡感がなく、日中でも眠気がある」「疲れが取れにくい」などの自覚症状をこの病気に結びつけて考える人が少ないのも現状です。
睡眠時無呼吸症候群の方は、脳にとって十分な睡眠をとれていない状態で日々を過ごすことになるため、日中に猛烈な眠気に襲われることがあります。
日常生活で車を運転する方であれば、居眠り運転による事故を引き起こす原因にもなり、職場や学校において耐え難い眠気に襲われ、居眠りしてしまうことで、社会的非難や劣等感を抱いてしまうことも考えられます。
さらに、重症のまま放置していると、体内に取り込まれる酸素量が減少する低酸素状態が続くことで、心臓や血管に負担がかかります。すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気を合併しやすくなります。
重病を予防し、社会生活を健全に送る上でも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見・治療は欠かせないといえるでしょう。